帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる疾患で、一度水痘(水ぼうそう)にかかった人の体内に潜伏していたウイルスが再活性化することで発症します。主に免疫力が低下した高齢者に見られますが、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体価の低下、ストレスや疲労、免疫力の低下が原因で若年層にも発症することがあります。
帯状疱疹のウイルス(VZV)は単純ヘルペスのウイルス(HSV)とは異なるので一般的には単純ヘルペスのようにたびたび再発する事はなく、発症後5年から10年以上は再発する事はないといわれています。
帯状疱疹の症状
帯状疱疹の最も顕著な症状は、皮膚に沿った痛みと発疹です。痛みはしばしば発疹が現れる数日から2週間位前に始まり、片側だけに帯状に神経に沿って発生します。時に痒みを感じることもあります。発疹は赤い斑点として始まり、数日以内に小さな水ぶくれに進行し、最終的にはかさぶたとなります。
帯状疱疹の治療方法
帯状疱疹の治療は、発疹と痛みの症状の軽減と合併症の予防を目的としています。抗ウイルス薬の内服が発疹の初期に処方されることが多く、痛みを管理するための鎮痛剤や、場合によっては神経ブロックを行うこともあります。また、発疹を早く治すための抗ウイルス外用剤や痛みを和らげるためのクリームが用いられることもあります。帯状疱疹の痛みは冷やすと悪化して20、30年以上残る しつこい神経痛になることもあります。冷やさないで積極的に温めることが必要です。
予防方法について
帯状疱疹の予防には、帯状疱疹ワクチンが有効です。50歳以上の方に推奨されており、ウイルスの再活性化を抑え発症の可能性を下げ、重症化を防ぐことができます。当院でワクチンを接種することも可能です。
帯状疱疹は、適切な治療とケアによって管理することが可能です。もし帯状疱疹らしい症状に気づいた場合は、早めに皮膚科専門医に相談しましょう。